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人間は、自分の欠点や弱みを指摘されると、たとえ自分自身でそのことをしっかり認識していたとしても、腹が立ったり気分が害され快く思えないものです。 相手が自分のことを思って、「あえて忠告してくれているのだろう」と頭では理解していても、やはり感情的には許せなく不快に思ってしまうのです。 会社勤務をしている人ならお分かりになるでしょうが、上司と部下の関係であっても同じです。 あなたが部下なら、上司から怒られることは日常茶飯事ではないでしょうか。 おそらく顔には怒りの表情は一切隠していても、心の中では「なんでこんなデキの悪い上司に怒られないと駄目なんだ、それならあんたがやってみい!」と心の奥で叫んでいるのではないでしょうか。 たとえ、あなたのためを思ってアドバイスをした上司であっても、なかなか素直に受け取れないものです。 ところがこれとは逆に、怒られたり、自分のミスを指摘されても、不快に思うどころか、相手を尊敬したり好意を抱く場合があります。それは、注意する側とされる側に、強い信頼関係がある場合です。 このことを心理学では「イデオシンクラシー・クレジット(個人特有の信用)」といいます。 この信用は、その個人との長年に渡る人間関係によって蓄積され、培われたもので、一朝一夕では築けないものです。 もし、あなたが部下を批判したり、注意しようと思った場合、相手にイデオシンクラシー・クレジットを持っているかどうかを配慮してから行動を起こす必要があります。さもなければ、たとえ、あなたが部下のことを思って注意やアドバイスをしたとしても、部下や同僚は納得したような顔をするだけで、反省などしないのです。 反対にあなたは不快感を持たれてしまうだけです。 ですから、相手に嫌われないで、逆に尊敬されるためには、 第一に、相手の考えを尊重し、信頼関係を日ごろから培っておくことです。 第二に、飲みに誘って時に、気持ちよく来てくれるかどうかなどで、相手との信頼関係があるかないかを見極めておくことも大切です。 個人的信用がまったくない状態では、たとえ相手のことを思って、アドバイスをしても、ちょっとしたことで相手の気分を損ねる場合がありますので、くれぐれも注意が必要です。
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