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人は、自分が話しているときには、他人はしっかり聞いてくれていると思っているかもしれませんが、それは錯覚というものです。あなただって、人の話なんか、興味がないときは上の空ではないでしょうか。 人間の耳はレコーダーとは違います。自分の興味や関心が引かれた言葉や、自分が期待していた言葉、印象に残った言葉だけを選んで聞き取り、解釈し、記憶に残しているのです。 同じ話し手で、聞いている人が数人いたとしたら、話す内容が同じでも、それぞれの聞き手は、自分の関心によって理解するものが異なっています。 たとえあなたが、いくら熱弁をふるってみても、聞いて欲しい言葉に相手が関心を向けてくれなければ、馬耳東風も同然なのです。 世の中には、立て板の水というくらい話し上手な人がいますが、そんな人は話が途切れることなくポンポンと出てくるように思われがちですが、決してそんなことはありません。話し上手な人は、へんに難しい言葉を使ったり、早口でしゃべったりすると、「自分が本当に言いたいこと」を誰も聞いていないことを知っているのです。 こんなときには、沈黙をはさんだり、適度なタイミングで「え!」などと意味の無い言葉を入れてひと呼吸置いたりするほうが、説得効果が高まるのです。 上司が営業成績を上げるための方策を、5分も10分も延々と話し続けますと、いくら大事な話だといっても、途中で聞くのがイヤになって、ほかのことを考えていませんか。 上司としては、そうならないように、相手がうわの空になってきていると感じたら、しばらく沈黙するのもいいでしょう。部下は気まずくなって緊張感を取り戻しますので、そこから本題を切り出すのも、ひとつの手です。 また、沈黙する以外にも、相手に話を聞いてもらうための方法があります。 これは「カクテル・パーティ効果」を利用する方法で、「カクテル・パーティ」とは、外国のセレブ達がよく行っている立食パーティーのことです。 当然、パーティ会場にはたくさんの人がいて、周囲はうるさくざわついていますが、好きな人や重要な人物と話しているときは、相手の言葉をはっきり聞き取ることができるというものです。 話し手は短い会話の中で重要な言葉を、大声ではっきり伝えようとするし、相手も聞き耳を立てているので、重要な言葉をしっかり記憶するのです。 このカクテル・パーティ効果を働かせるために、たとえば街中を歩きながら、仕事の打ち合わせを指示したりすることも、手短に話すと、すぐに頭に入れてもらえるでしょう。
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