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人には、「自分にとって価値がある」と考える対象は、実物より大きく見えてしまう傾向があるようです。心理学では、これを「社会的知覚」と呼んでいます。 つまり、人が何らかの物理的対象を知覚する場合には、知覚する人の欲求、期待、過去の経験等によって大きく変わりうるということです。 アメリカの心理学者であるブルーナーが次のような実験をしました。 子どもたちに五種類の硬貨をそれぞれただの円板と比較させたとき、硬貨の方が大きく知覚されたようです。 その結果、貧しい家庭の子どもは経済的に裕福な家庭の子どもより、硬貨が実物より大きく知覚されたとのことです。 これと類似した質問で、金銭感覚が鋭いかどうかを見抜くことが可能です。 「今、小銭入れにいくらぐらい入っている?」 と聞いてみるだけでいいのです。 ふつうは「そんなの知らないよ」と答える人が恐らく多いでしょう。 正確でなくても、だいたいの金額が分かるぐらいの人は、お金の管理をきちんとしている人といえます。もし自分の小銭入れの中身を1円単位まできっちり把握している人がいたら、間違いなくお金に細かい人です。 このタイプの人は、預金通帳の残高も100円単位で覚えているでしょうし、ちょっとお金がたまると、すぐに銀行に預け入れます。そうしないと不安なのです。 これだけでガメツイとかケチとかいえるものではなく、ただお金のことについては、明確にしておかないと心が休まらないだけなのです。 こういう人とつき合う場合には、絶対におごってもらわないことです。死ぬまで覚えている可能性があり、口に出さなくても、そのお返しをどこかでしていないと、そのタイプの人の心の中にはいつもそのことを気にしているはずです。 ですから、いい人間関係を保つためにも、そういう人と食事をしたときはワリカンにしておくのが賢い選択といえそうです。 常に小銭入れがパンパンにふくれあがっている人は、よほどお金に無頓着なのか、そうでなければお金に執着している人でしょう。 執着がある人ほど、現金にこだわるため、金融機関に預け入れず、「タンス預金」でため込むタイプです。だから現金を多く持ち歩く傾向があります。 ケチケチした生き方をする人は、なんとも窮屈でつき合いにくいものですが、小銭を大事にする気持ちは忘れないようにしたいものです。
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